先日、少し「変わった」ご依頼を受けました。
ご相談者の父親(在日韓国人)が亡くなったため、ご相談者を含め、相続人である兄弟たちで父親の遺産に関する遺産分割について協議することとなりました。
ですが、兄弟のうちの一人が遺産分割協議に全く応じてくれないとのことです。
ご相談者によると、10年前に他の兄弟たちと大喧嘩してしまい、おそらくはそれが原因とのことです。
喧嘩をしたから他の兄弟たちの顔も見たくない、というのはわかります。
ですが、父親の遺産はかなりの額であり、人間だれしもお金は欲しいものです。
それにもかかわらず、その方は、遺産分割協議に全く協力してくれません。
そのため、私は「変わった方だなあ」と思ってしまいました。
ですが、このようにメリットがあるにもかかわらず協力してくれない相続人も結構いらっしゃるんですよね。
だから、そこまで「変わっている」というわけでもないかもしれません。
とにかく、このままだとどうしようもないので、やむなく遺産分割調停を起こしましたが、それでもその方は裁判所に来てくれませんでした。
そのため、私の方で、すべての相続人に公平になる内容で、遺産分割の和解案を裁判所に提出しました。それをもとに、裁判所の方で「調停成立に代わる審判」を出していただきました。
「調停成立に代わる審判」とは、簡単にいえば、ある相続人が遺産分割調停に出廷等しない場合、裁判所が公平な内容で遺産分割調停案を作成し、これを各相続人に提案し、誰からも異議がでなければこの案の内容どおりに遺産分割調停が終了する、というものです。
このような方法でこの件は終了しましたが、できればその方には調停の場にお越しいただけたらなあとは思いました。解決までは長引くかもしれませんが、その方がどんな思いでそこまで非協力的だったのかが明らかになり、兄弟間のわだかまりも少しだけでも解消できたのかなあと思いました。
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