私たち夫婦はともに韓国人です。3か月程前に夫の浮気が発覚しました。
もう浮気はしていないようですが、夫にはほとほと愛想が尽き、私は離婚を決意するにいたりました。
韓国法が適用されても、不貞行為(浮気)を理由に離婚することができると思いますが、この点について念のためご教示ください。
ここでは、韓国法が定める離婚事由のうちの一つである、「配偶者に不貞な行為があったとき」について説明いたします。
韓国民法840条1号は、「配偶者に不貞な行為があったとき」を裁判上の離婚原因の一つとして定めています。
韓国の大法院(最高裁)は、不貞行為とは、夫婦の貞操義務に忠実ではないと認定される一切の不貞行為を含む広い概念として把握されなければならず、不貞行為か否かは具体的な事案に基づきその程度と状況を斟酌しこれを評価しなければならないないとしています。
また、不貞行為となるには客観的に不貞な行為に該当するとみることができる事実がなければならず、それが内心の自由な意思に基づき行われたものでなければならないともされております。
なお、判例は、不貞行為とは、婚姻後の行為を意味し、婚姻という家族法上の契約がなされる前の行為はこれに該当しないとしています。
ところで、相手方が不貞行為に及んだとしても、他方の配偶者が事前にこれに同意し、または事後に宥恕した場合、他方配偶者は離婚請求をすることができないとされております(韓国民法841条前段)。
なお、事後の宥恕とは、配偶者の一方が相手方の不貞行為の事実を知りながら、婚姻関係を持続させる意思として悪感情を放棄し相手方に対しその不貞行為に対する責任を問わないとする意思を表示する一方行為とされております。
また、離婚請求権者である配偶者が不貞行為の事実を知った日から6か月の経過、または不貞行為の事実があった日から2年の経過によって、離婚請求権は消滅すると規定されています(同法840条後段)。
そして、その期間は除斥期間とされており、学説は、不貞行為が継続的なものであれば、その除斥期間は不貞行為が終了した時から起算するとされています。
韓国民法上、不貞行為についてはこのように定められております。
そのため、ご相談者様が離婚を決意されているようでしたら、お早めに法的手続をおとりいただいた方がよいと考えます。