「どこの国の裁判所で離婚するの?」ー離婚裁判における国際裁判管轄ー

私は日本人で、夫は韓国人です。私たちは婚姻後ずっと日本で生活してきましたが、

2年前夫は私に無断で韓国に帰ってしまいました。そのため、夫とは離婚したいのですが、

こんな場合どこの国の裁判所で裁判をおこせばいいのでしょうか?ご教示ください。

日本に住んでいるから当然日本の裁判所で・・・というわけではありません。
これを国際裁判管轄の問題といいますが、ここでは、離婚裁判における国際裁判管轄について説明いたします。

人事訴訟法3条の2各号を簡単にまとめると、次のとおりです。
※ なお、説明の便宜のため一部割愛しております。

① 相手方の住所または居所が日本国内にあるとき
② 当事者双方が日本国籍を有するとき
③ 当事者の一方が日本国内に住所を有し、当事者双方の最後の共通の住所が日本国内にある場合
④ 当事者の一方が日本国内に住所を有し、他の一方が行方不明であるときその他の日本の裁判所が審理及び裁判をすることが当事者間の衡平を図り、または適正かつ迅速な審理の実現を確保することとなる特別の事情があると認められるとき

上記のうち④についてですがこの④で挙げられている事由はあくまで例示であり、結局のところとしては、

当事者間の衡平、適正、迅速な審理の実現という要請があれば、日本の裁判所で裁判をおこすことができるとする規定となります。

上記ご相談者様の事案であれば、上記③に基づき、ご相談者様は日本の裁判所で裁判を起こすことができるのではないでしょうか。

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